多層式洗浄装置の導入による省力化の実現
現在、川崎市立多摩病院の中央滅菌室では、14名のスタッフが業務にあたられています。
「見学に来られた方がいちばん驚くのが、スタッフの少なさです。これを可能にしたのが、多層式の洗浄装置です。洗浄を機械が担ってくれている間、人間がどう動くかという流れを生み出しているからです」(田中さん)
当時、サクラ精機には単槽式の「WUS-3100」のみで、多層式の洗浄装置は発売段階にありませんでした。そのため田中さんは「どのメーカーでもいいとまで考えた」そうですが、幸いご要望に応えられる時期に納入することができ、現在、洗浄ゾーンの中心でWUS-3400 が稼動中です。
革新的な中材の業務システム
「もう一つのポイントは、中材スタッフの作業を固定化せず、器材と一緒に動いていく流れを作ったことです」(田中さん)業務の流れは、次のようになっています。まず、午前は外来、午後は病棟に、供給回収担当のスタッフが器材の回収に向かいます。そして、回収した器材処理は中のスタッフに任せ、再び他部署へと回収に向かいます。供給も同様で、作業を一時(いちどき)に集中させないよう、数人が小分けして作業することで、スムーズな物の流れを作り出しました。
中にいるスタッフは、回収された器材の洗浄準備をします。洗浄装置にセットすると乾燥が終わるまで手が空きますから、回収洗浄処理中の器材組立、包装準備、既滅菌物の払い出しの指示を出します。洗浄工程が終了したら、器材を点検して包装します。
また、回収が終わったスタッフは、払い出しのピッキングを行い、各部署へ供給、収納、有効期限確認等を行います。「この他のことはスタッフの判断に任せています。滅菌までとは言いませんが、回収された器材をスタッフ一人ひとりが器材別に処理して洗浄、点検、包装までをこなせるからです」(田中さん)

いかに少ない人数で、効率的にミスなく作業をこなし、器材の供給・回収を滞りなく行うか――これは中材の基本的な使命であり、命題でもあります。川崎市立多摩病院の革新的な業務システムの基礎に、サクラ精機の多層式洗浄装置WUS-3400 が稼動していることを私たちは喜びとすると共に、新たな開発への力とさせていただいています。
(2010年11月現在)

